考えるペンギン

いろいろ考えてます。

世界と小さな棘のこと

一週間に一度ブログを書こうと決めたくせに、しばらく書いていませんでした。

ずっと心に棘のようなものが刺さっており、それが気になっていたからです。

 

でも今日はひさしぶりに何か書いてみようかなと思いました。

私の大事にしている言葉について書きます。

 

"The body is the shore on the ocean of being."

 

これです。

体は、存在の海に接する岸辺である。スーフィーイスラム神秘主義)の言葉だそうです。

 

私たちは世界という存在の海の中に、ある日、たぶん何の理由もなくまったくの偶然でひょこっと生まれて、わけもわからないまま漂いつづけています。

その海と、私たちの意識との接点が肉体であるということです。肉体を通して世界に触れているということです。

 

目に映るもの、肌に触れるもの、全てが世界です。そんなの当たり前ですけど、あらためてそう意識してみると、まるでたった今この世に生まれ出たかのように新鮮に感じられませんか? 手近にあるものに触れてみてください。なんでもいいですが、テーブルとか壁とか、自分より大きい物がいいかもしれません。なでたり、しがみついたりしてみましょう。そのとき、世界にしがみついているんです。

 

私たちは存在の海の中で健気に生きる小さな命です。(もちろん私もです。いいおばさんなんですけど、健気で小さな命には違いないでしょう。)

肉体が滅んだら、また海に溶けて還ってゆくのだと思います。それはそれで気持ちよさそうですが、海の時間は永久で、それにたいして肉体の寿命は数十年。そう思うとやっぱりものすごく貴重ですね。そして肉体を失えば、世界に「触れる」ということはできなくなってしまうのです。私は許された時間ぎりぎりまで、「私」として世界に触れていたいです。