考えるペンギン

いろいろ考えてます。

あなたはなぜ専業主婦を叩くのか?

専業主婦――。

今やとてもセンシティブな言葉になってしまいましたが、私はまさにその専業主婦です。

世間、特にネット上で、専業主婦がどれほど叩かれているかは多くの人の知るところであります。

 

キリストは「右の頬を打たれたら、左の頬を差し出しなさい」と言ったそうですが、凡人である私はそこまで優しくなれません。

そうかといって殴りかえしたりしたら喧嘩になってしまいます。それも避けたい。

 

そこで、専業主婦を叩くのはどういう人たちなのか、なぜ叩くのかについて考えてみたいと思います。

(ここでいう専業主婦に、パートママさん、赤ちゃんのいるママさんは含めません。)

 

思うに、その人たちはたぶん働いています。働いていない人もいるかもしれませんが、ここでは考えないことにします。

そして仕事に喜びを感じていない。もし仕事が好きなら、専業主婦を叩いたりしないはずだからです。

おそらくは、労働力として日々こき使われ、身も心もぼろぼろなのでしょう。

もしそんな状態だったら私も、「専業主婦はずるい、おまえらも働け!」と思ってしまうかもしれません。

 

でもちょっと待ってください。

その人たちが大変なのは、専業主婦のせいですか?

専業主婦が働きさえすれば、その人たちは幸せになれるのでしょうか?

そうはならないですよね。

それどころか、「自分が大変なのだから」「みんな大変なのだから」という理由で他人にもそれを押し付けようとすれば、大変であることが当たり前の世の中になってしまいます。

 

そもそも私がなぜ専業主婦でいるのかといえば、そのように労働力として酷使され、身も心もぼろぼろになるのを恐れているからです。

毎日の家事もトータルでけっこうな時間になります。理想がどうあれ、夫婦で分担することが難しい家庭だってあります。

働きに出ている人は、疲れて帰ってきてからそれらをこなしているわけですね。

 

立派です。でも私にはできません。

わがままと思われるでしょうが、私は家庭を優先し、自分の時間も確保したい。

この物価高ですから、その上でできる仕事があればやりたいと思っていますが、そんな素敵なお仕事なかなかありませんね。

時短を売りにしている職場も、忙しければシフトを増やすよう要求してきますし、それを断って殺伐とした空気の中で先に帰る気まずさは耐え難いものです。

 

つまり、世の中は働く人に優しくない。

働く以上は職場の都合が最優先。家庭や本人の希望なんて二の次三の次。

仕事で大変な人が専業主婦を叩く理由も、専業主婦が専業主婦でいる理由も、ここにあるのではないでしょうか?

 

行ったことはないですが、ヨーロッパには専業主婦はほとんどいないそうですね。

記事を書くにあたって調べてみましたが、具体的な数字を列挙したものは見つけられませんでした。国によっても違いがあるようですが、スウェーデンは専業主婦の少ないことで有名らしいです。ただし残業もない――残業という概念が存在しないらしいです!

 

ヨーロッパでは日曜日はお店自体が閉まっているともいいます。

不便そうだと感じる人もいるでしょうが、私はうらやましいです。

 

最近では、人手不足を理由に閉店時間を早める店をときどき見かけますが、これは英断だと思います。少ない人員で無理に回そうとすると、従業員が辞めて人手不足に拍車がかかってしまいますから。

店や会社は「人手が足りないのでできません」と過剰な注文を断り、顧客側は「それじゃあしょうがない」と理解を示す。日本もそういう方向へシフトしていくべき時が来ているのではないかと、私は思います。

 

一生懸命働いて、気持ちよく帰る。

そんな世の中になれば、働く人は専業主婦を叩いたりせず、専業主婦たちもまた進んで働きに出るのではないでしょうか。